恐ろしい…!貸し付け金、返済滞納による個人住宅の差し押さえ!

友人が、不動産の中古物件を購入しました。芸能人も大勢住んでいるという都内でも屈指の人気エリアの三階建ての一戸建て住宅。30代前半の友人夫婦、小学生と幼稚園児、四人で住むには申し分のない広さですし、外観、内観ともにこだわってつくったオシャレな物件。しかし、そのエリアの相場を大きく下回るような、破格な値段を聞いてビックリしてしまいました。
「いわくつきの家なの?たとえば、幽霊が出るとか…」
「う0ん、まだわからないけど、もしかしたら出るかも…。なんかね、子ども部屋の窓ガラスに変な具合に割れていてね、…見に来る?」
友人に招かれて、その家に行きますと、友人の言うとおり、子ども部屋の窓ガラスにヒビが入っていました。防弾ガラスなのでしょうか。割れたガラスが散らばる、ということはなかったようで、痛々しいヒビがそのままになっています。
「なんかさあ、銃弾みたいに見えない?」
そうなのです。私も気になりました。ヒビ割れの中央部分、きれいな丸い穴がポッカリと空いているのです。不注意でなにかをぶつけた、とか、鳥が飛んできて正面衝突したとか…、思いつく限りのありがちな理由では、つかないような穴なのでした。
「このままの状態で売りに出されていたの?」
「そうなのよ。でも、このガラスの入れ替えるとなると結構費用がかかるのよね…」
と言って、友人もしばらくそのまま放置している状態でした。子ども部屋だというのに物騒な…。
どうやら、この中古物件、いわゆる競売物件というものだったそう。
「買い手にとっては掘り出しものだけど、売り手側にとっては、きっと切羽詰まった事情だったんでしょうね…」
元の居住者のこだわりの感じられる、キッチンやバスルームなど、見れば見るほど切なくなってしまいます。
「だからさ、前の持ち主の生き霊なんかが見えるんじゃないか、って気がしちゃうのよ。手放すことを想定して建てたわけじゃない、と思うから…」
不動産ローン契約をして、その家を建てたと思しき、元の住人は、おそらく借金返済が滞るなどして、担保にしていたその家を手放さざるを得なかったのでしょう。築年数もそれほど経っていなさそうな、まだ新しい家でした。
友人は、「幽霊が出そう、生き霊が出そう…」などと言いながらも、楽しそうにその家に暮らしていました。「購入させて頂いた以上、ウチの家族で愛着を持って、大切にこの家を使わせていただくことが前の住人のためにもなるかな、と思って…」というのが友人の弁でした。子ども部屋のヒビ割れも記念として取っておく、というのは悪趣味だと思いましたが…。
実際には、せっかく破格で購入した物件に、あとからあれこれお金をかけたくない、というのが本音だったのでしょうが…。

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