融資を受けるなら慎重に…、安心・安全、失敗のない金融機関の選び方
料理がおいしくてボリュームがあり、価格も安い、というように、三拍子揃ったいわゆるコストパフォーマンスのよい店より、味よりも雰囲気重視、量も少なくて値段設定が高めでもものすごく流行っているお店、というのがある。マスコミに取り上げられている、とか、人気がありそうだから、あえて話題の店に行ってみる、というような群集心理もはたらくのかもしれないが、人間というのは、実に雰囲気に飲まれやすいという性質を持っており、「こちらの方が絶対にお得だ!」と分かっていても、あえて損の多い方を選択してしまうことがある。理由はひとつ、「対応」だ。
愛想のいい店主、気の利いたスタッフのいる店は流行る。たとえ、置いている商品がイマイチであっても、だ。逆に、どんなにいい商品を置いていても、仏頂面で対応されると、人間はそれに価値を見いだすことができないことが多いのである。
海外に行って、なかば投げ売りのように安く購入したブランド品は、あまり大事にされない。正規店に出向き、セレブかなにかのように丁重に接客され、それなりの価格で買ったブランド品には、その価値以上のものを見いだす。人間というのは、そういうものなのだ。
それを、不動産や車のローン契約だとして考えてみよう。人当たりのよい親切なスタッフが丁寧に説明してくれるローン。多少、難があっても、この担当者なら、と契約を決めてしまいそうだ。反対に、愛想もなく、対応されたら、どんなに条件のよいローンでも、契約することを躊躇いそうである。
でも、相手が商売人だとして、再度考えて見て欲しい。お客側に有利であっても、自らの会社に利益の少ないようなプランをすすめてくるものだろうか。たとえ、相手側に損失が出ても、自分の会社にとって利益を多く含む商品なら、どんなテクニックを駆使しても勧めたいと思うのではないだろうか。
低収入である、母子家庭である、年齢が若い、反対に、高齢である…、それらのマイナス要因を背負った上で、ローンの契約をしたい、と考えたとき。「正直に言って、ローン契約は難しい」と言って、あきらかに不利なプランを進められても、自分の方になんの情報もなければ、「そういうものなのかもしれないな」と言うなりに契約を結んでしまうだろう。大事なのは、ちゃんと知ろうとすること。正しい仕組みを理解すること。自分の返済能力を考えた上で、必要な分だけを借りることなのだ。
その上で、たとえ愛想が悪くても、条件のよい金融機関で借り入れを検討して欲しい。愛想の悪さは、もしかしたら、自社にうま味のない、もしかしたら、借り手側に有利なプランであることの証明なのかもしれないのだから。